こんにちは、鶴橋なんばクリニック院長の灘波です。

HPVワクチンをご存知ですか？

HPVとは、ヒトパピローマウィルスのことで女性のおよそ半数以上一度は感染するとされている一般的なウィルスです。子宮頸がんをはじめ頭頸部がん、肛門がんや尖圭コンジローマなど多くの病気の原因となるウィルスです。

HPVウィルス感染を予防することにより、若い女性で増えている子宮頸がんの発症を減らすことを目的としてHPVワクチンが推奨されています。

ワクチン接種の効果

HPVの中には子宮頸がんをおこしやすい種類（型）のものがあり、HPVワクチンは、このうち一部の感染を防ぐことができます。
現在、日本国内で使用できるワクチンは、２価ワクチン（サーバリックス）、４価ワクチン（ガーダシル）、９価ワクチン（シルガード９）の３種類あり、数字の大きいほど多くの種類のウィルスに対応できます。

サーバリックスおよびガーダシルは、子宮頸がんをおこしやすい種類であるHPV16型と18型の感染を防ぐことにより子宮頸がんの原因の50～70％を防ぎます。シルガードは、HPV16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80～90%を防ぎます。

ですので、今後接種される方はシルガードを接種することをおすすめします。

当院では、自費で行うことも出来ますが対象となる方は公費で無料で受けることが出来、小学校６年～高校１年相当の女子を対象に、定期接種が行われています。

また、平成９年度～平成18年度生まれ（※）まで（誕生日が1997年４月２日～2007年４月１日）の女性の中に、通常のHPVワクチンの定期接種の対象年齢の間に接種を逃した方がいらっしゃいますのでキャッチアップ接種と称して公費でHPVワクチンが接種できるようになっています。

・子宮頸がんワクチン　（HPVワクチン）

ガーダシル　4価ワクチン　１回15000円　3回接種推奨（男性も接種可能）

シルガード　9価ワクチン　1回28000円　3回接種推奨（15歳未満は2回接種）

標準的な投与スケジュールは以下のようになります。

HPVワクチンの安全性は？

HPVワクチンは接種により、注射部位の一時的な痛み・腫れなどの局所症状は約80%以上の方に生じるとされており、注射時の痛みや不安のために失神（迷走神経反射）を起こした事例が報告されています。迷走神経反射は、接種直後30分程度安静にすることで対応が可能です。

厚生労働省専門部会で、慢性の痛みや運動機能の障害などHPVワクチン接種後に報告された「多様な症状」とHPVワクチンとの因果関係を示す根拠は報告されませんでした。これらは機能性身体症状と考えられるとの見解が発表されています

HPVワクチン接種歴のない女子でも、HPVワクチン接種歴のある女子に報告されている症状と同様の「多様な症状」を呈する人が一定数（12〜18歳女子では10万人あたり20.4人）存在しており、「多様な症状」がHPVワクチン接種後に特有の症状ではないことが示されました。

名古屋市で行われたアンケート調査でも、24種類の「多様な症状」の頻度がHPVワクチンを接種した女子と接種しなかった女子で有意な差がないと報告されました。

接種率の低い日本では他の国と比較して子宮頸がんの発症割合が高いと報告されています。

効果のあるワクチンが無料で接種できる方はこの機会に接種をご検討ください。

3回接種を公費で受けるためには今年の夏までに接種する必要があります。

気になる方はご相談ください。HPより予約可能です。

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