なぜ咳がでるの？

気道内に吸い込まれた異物や痰を出すための体の自然な反応です。この反応には、無意識的な反射と大脳が関与する意識的な反射による起こります。また精神的な問題に伴う咳もあり心因性咳嗽と呼ばれています。

健康な人や咳の患者に咳を誘発する物質を吸入させると、その物質の濃度に応じて咳を引き起こす傾向があります。また、咳の誘発には脳のさまざまな領域が関与しています。

咳の分類とは？

持続期間と痰を伴うかどうかによって分類します。短期間のものを急性咳嗽、長期的なものを慢性咳嗽、喀痰のあるものを湿性咳嗽、ないものを乾性咳嗽といいます。これらを分類することによりおおよそん原因を知ることができます。

咳の原因は？

ウィルス感染、細菌感染等による咳が一番多いですが、ありとあらゆる呼吸器疾患が原因となります。肺炎、肺癌、間質性肺炎、肺結核、肺塞栓、咳喘息、アトピー咳嗽、肺気腫、慢性気管支炎、非定型抗酸菌症、鼻炎など副鼻腔炎、胃酸の逆流による咳、薬の副作用により咳がでることもあります。

また、咳以外の症状も大切で発熱の有無、血痰の有無、呼吸困難の有無、胸痛の有無、体重減少の有無なども考慮する必要があります。

咳がどのくらい続けば病院に行けばいいの？

咳が2週間続けば病院受診をお勧めします。まずは、結核や肺炎など起こしていないか胸部レントゲンの確認などは行っていただきたいと思います。

検査は？

血液検査

炎症の程度や好酸球やIgEなどアレルギーの値がどうなのかを確認します。

喀痰検査　どんな菌が痰の中にいるか、また喘息などアレルギーを疑う好酸球がいるか、がん細胞はいるかなど確認します。

画像検査　胸部レントゲンやCTで肺に異常な影があるかどうか確認します。

肺機能検査　肺活量や、1秒間に吐き出せる空気の量などからどのような病気の可能性が高いかを確認します。

呼気NO　吐き出す息のNO（一酸化窒素）を測定することにより、喘息などのアレルギーによる咳の可能性が高いかどうかを確認します。

内視鏡検査　肺の中を観察したり、内部の細菌の培養などを行います。また、胃カメラで胃酸逆流の程度を確認することのより咳の原因となっているかどうかを知らべます。（短期入院で検査を行っている施設が多いです）

治療は？

風邪などによるものであれば対症療法となります。去痰剤で痰をなるべく排出するようにまた、鎮咳剤で咳を抑える治療です。鎮咳剤を使いすぎると痰が出にくくなることもあります。

喘息などの要素がありそうだとステロイドの吸入や抗アレルギー剤を用いることもありますし、気管支を拡げるような薬剤を用いることもあります。胃酸が原因だと胃薬でよくなる場合もあります。他に漢方薬なども効果を発揮する場合があります。

ご高齢の方で飲み込む力が弱くなっているとなかなか改善しないこともあります。

当院では、気管支鏡検査とCT検査以外の検査に対応しております。

血液検査、肺機能検査、呼気NO検査、喀痰検査など可能です。

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