健康診断は、病気の早期発見や予防のために欠かせない大切な検査です。

なかでも「健診」と「検診」は混同されやすい言葉ですが、実は目的や内容に違いがあります。

また、せっかく受ける検査も、前日や当日の過ごし方によって結果に影響が出ることもあります。

検査の精度を高めるためには、正しい知識と事前の準備が大切です。

この記事では「健診」と「検診」の違いや、健康診断の主な検査内容、正確な結果を得るための注意点について、わかりやすく解説します。

これから健康診断を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

健康診断とは？

健康診断は、体の異常や病気の兆候を早めに見つけるための大切な機会です。

まだ症状が出ていない段階でも、定期的にチェックすることで、病気の予防や早期発見・早期治療につなげることができます。

 

主な検査には血圧測定や尿検査、血液検査、胸部レントゲン検査などがあり、糖尿病や高血圧、脂質異常症などのサインを見つけることが可能です。

企業での定期健診や自治体の健診、人間ドックなど、受ける機会もさまざまです。

まずは「健康診断とは何か」を正しく理解し、健康管理に役立てていきましょう。

健診・検診の違いは？

「健診」と「検診」はどちらも健康チェックを意味する言葉ですが、実は目的や内容に違いがあります。

ここでは、それぞれの言葉の意味を詳しく解説していきます。

健診とは

健診とは、全身の健康状態を確認し、病気のリスクを早期に発見するための検査です。

企業や自治体が実施する定期健康診断や、特定の年代を対象とした特定健診（いわゆるメタボ健診など）が代表例に挙げられます。

 

一般的には「健康診断」の略語として使われることが多く、意味に大きな違いはありません。

ただし、場面によっては「特定健診」や「乳幼児健診」のように、対象や目的が限定されているケースもあります。

 

症状があらわれる前に体の変化に気づけると、病気の予防や早めの対応が可能になります。

定期的に健診を受けて、自分の体の状態を把握しておくことが大切です。

検診とは

検診とは、特定の病気を早期に見つけることを目的とした検査です。

がん検診や結核検診、歯科検診、子宮頸がん検診などの種類があります。

 

定期的に検診を受けることで、病気の早期発見・早期治療につながり、重症化を防ぐことができます。

自身の健康を守るためにも、自治体からの案内が届いたら積極的に検査を受けるようにしましょう。

健康診断でわかること｜主な検査項目と内容

健康診断では、体の状態を把握するためにさまざまな検査が行われます。

それぞれの検査項目が、どんな病気の予防や早期発見に役立つのかを見ていきましょう。

身体計測（身長・体重・BMI）

身体計測は、健康診断の中でも基本となる検査項目です。

身長や体重の測定に加え、BMI（体格指数）を算出することで、肥満ややせすぎといった体型のバランスをチェックできます。

 

例えば、BMIが25以上の場合は肥満と判断され、高血圧や糖尿病などのリスクが高まる傾向があるため注意が必要です。

体重の増減やBMIの変化は、生活習慣病のリスクと深く関係しており、定期的な記録が健康管理に役立ちます。

血圧測定

血圧測定は、健康診断で欠かせない基本的な検査の一つです。

心臓や血管の状態を知る手がかりとなり、高血圧や低血圧などの異常を早い段階で見つけることができます。

 

例えば、上の血圧（収縮期血圧）が140mmHg以上、または下の血圧（拡張期血圧）が90mmHg以上の場合は、高血圧の可能性があるとされています。

この状態を放置すると、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの命にかかわる病気につながることもあるため、注意が必要です。

 

健康を守るためにも、日ごろから血圧の変化に目を向け、定期的にチェックする習慣をつけておきましょう。

尿検査

尿に含まれる成分を調べることで、腎臓や肝臓、膀胱などのはたらきや糖尿病の兆候を確認することができます。

もしも尿たんぱくや尿糖、潜血が検出された場合は、腎機能の低下や糖尿病、尿路感染症などの可能性があるため、詳しい検査が必要になることもあります。

 

自覚症状がない段階でも異常が見つかることがあるため、尿検査を通して体内の変化にいち早く気づくことが大切です。

血液検査

血液検査は、健康診断の中でも特に多くの情報が得られる、重要な検査です。

血液中の成分を調べることで、肝機能や腎機能、脂質や血糖の状態など、体の内側の健康状態を把握することができます。

 

具体的には、中性脂肪やLDLコレステロール、AST・ALT（肝酵素）、血糖値やHbA1cといった項目が検査されます。

これらの数値は、生活習慣病や内臓の疾患と深く関係しているため、異常値が出た場合は早めの対応が必要です。

 

日頃からの体調管理に役立てるためにも、血液検査の結果にはしっかり目を通しておきましょう。

胸部レントゲン検査

胸部レントゲン検査では肺や心臓の状態を映し出し、目に見えない異常を確認することができます。

肺炎や肺結核、肺がん、心肥大などの早期発見に役立ちます。

 

喫煙歴がある方や呼吸器系の不調を感じている場合は、特に重要な検査です。

自覚症状がなくても、年に一度は胸の検査を受けておくと安心です。

心電図検査

心電図検査では、心臓の動きを電気的な波形で記録し、異常がないかを調べます。

動悸や息切れといった症状がない場合でも、不整脈や狭心症などの兆候が見つかることがあります。

 

加齢やストレス、生活習慣の影響で心疾患のリスクが高まっている人にとっては、特に重要なチェックポイントです。

健康診断での心電図検査を通して、心臓のトラブルを早めに把握しておきましょう。

問診・診察

問診と診察は、健康診断の総まとめとして重要な役割を果たします。

既往歴や生活習慣、体調の変化について医師が直接聞き取りをすることで、検査結果だけでは見えないリスクを確認できます。

 

例えば、日頃の食生活や運動習慣、家族に多い病気などを伝えることで、将来的な健康リスクを予測しやすくなります。

不安なことが、あればこのタイミングで相談しておくと安心です。

健康診断を受ける際の注意点

健康診断では、前日や当日の過ごし方によって検査結果が変わってしまうことがあります。

正確な診断結果を得るために、事前に注意点を確認しておきましょう。

前日の過ごし方のポイント

正確な検査結果を得るためには、前日の過ごし方にも注意が必要です。

 

夕食は21時頃までに済ませ、脂っこい食事や過度な飲酒は控えましょう。

飲食の影響で、血糖値や脂質の数値が正確に出ないことがあります。

 

また、激しい運動や夜更かしも体調に影響するため、できるだけ普段通りの生活を心がけることが大切です。

当日の過ごし方のポイント

健康診断当日は朝食は控え、水分も必要最小限にとどめておきましょう。

カフェインや甘い飲み物、喫煙も検査結果に影響を与えるため、避けてください。

服装は脱ぎ着しやすいものを選び、リラックスした状態で検査に臨むことが大切です。

 

食事や水分、お薬の制限に関しては、医療機関ごとにルールが異なります。

事前に案内をよく確認し、不明な点があれば早めに問い合わせておくと安心です。

まとめ

健康診断は、体の不調や病気のサインを見逃さないための大切な検査です。

自覚症状がなくても、定期的に受けることで生活習慣病などを早期に発見し、適切な対策につなげることができます。

「健診」と「検診」は混同されがちですが、それぞれの目的を理解しておくことで、自分に合った検査を選びやすくなるでしょう。

 

また、前日や当日の過ごし方に気を配ることで、より正確な検査結果を得やすくなります。

将来の健康を守るためにも、まずは年に一度の健康診断から習慣化してみるのがおすすめです。

参考文献

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000103900.pdf

https://www.yobouigaku.jp/checkup/workers/general/

https://www.jpm1960.org/jushinsya/annai.html

 

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