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ビタミンCは風邪に効く?研究結果が示す効果と摂取のコツ

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「ビタミンCは風邪に効く」とよくいわれますが、実際にはどのような効果があるのでしょうか?

研究によると、ビタミンCは重い風邪症状を軽減し、回復の促進に役立つことが示されています。ただし、症状が軽い例では明らかな効果が得られませんでした。

 

また、ビタミンCの摂取だけでは風邪を予防できないとされているため、手洗いや消毒といった一般的な感染対策の徹底が重要です。

 

本記事では、ビタミンCに関する研究結果をもとに、その効果とおすすめの摂取方法について詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

ビタミンCのはたらき

ビタミンCは、水溶性ビタミンの一種です。コラーゲンの生成を促すことで、皮膚や粘膜の再生に役立っています。また、ビタミンCには抗酸化作用があり、美容の面だけでなく健康維持においても重要な役割を担っています。

皮膚・粘膜の治癒をたすける

ビタミンCはコラーゲンの生成をたすけ、皮膚や粘膜の修復をサポートしています。傷を早く治すことで細菌やウイルスの侵入を防ぎ、感染症から体を守っています。また、ビタミンCがもつ抗酸化作用には、紫外線から肌を守り、ダメージを軽減するはたらきがあります。

疲労回復

ビタミンCには、疲れをやわらげる効果もあります。疲労感の原因の一つは、活性酸素です。身体活動やストレスによって負荷がかかると、体内で活性酸素が増加し細胞を傷つけます(酸化ストレス)。細胞が傷つき、機能が低下することで引き起こされるのが疲労感です。ビタミンCがもつ抗酸化作用には、体内の活性酸素を除去するはたらきがあるため、細胞のダメージを軽減し、疲労回復をたすけてくれます。

ストレス耐性の強化

ビタミンCを摂ることで、精神的なストレスに対する抵抗力を高める効果が期待できます。これは、ビタミンCが副腎にはたらきかけ、ストレスに対抗するホルモンであるコルチゾールの分泌を促すためです。日頃から果物や野菜を積極的に摂取して、ストレスに強い体をつくりましょう。

研究結果からみるビタミンCの効果

昔から「風邪にはビタミンCが良い」といわれていますが、はたしてそれは本当なのでしょうか?ここでは、近年の研究結果をもとに、ビタミンCが風邪にあたえる影響について詳しく解説します。

Vitamin C reduces the severity of common colds: a meta-analysis

研究の内容と方法

風邪の期間短縮と重症化予防における、ビタミンCの効果を調べた研究があります。対象は健康な人で、1日1g以上のビタミンCを投与した例に限定して分析が行われました。

研究の結果

研究の結果、ビタミンCは風邪の重症度を平均15%(95%信頼区間:9〜21%)減少させることが確認されました。なかでも重い症状に対して効果があり、重症症状の持続期間を26%短縮しました。このことから、ビタミンCは風邪による欠勤や休学を減らすのに役立つと考えられます。ただし、軽い症状に対しては、明らかな効果はみられませんでした。今後の研究では、発症後すぐに治療としてビタミンCを使用する方法や、症状の重症度に応じた効果の評価が必要となりそうです。

ビタミンCと風邪の関係:症状を抑えるメカニズム

ビタミンCが風邪の重症化を抑える理由の一つは、免疫細胞の活性化です。ここでは、ビタミンCが免疫細胞を活性化させる仕組みについて、解説します。

白血球の生成促進

免疫機能の要である白血球がつくられる場所は、骨髄(骨の内部にある組織)です。ビタミンCには、骨髄での白血球生成を促すはたらきがあり、なかでもリンパ球や好中球の数を増やすことで、感染に対する初期の反応を強化する効果が期待できます。

免疫細胞の機能強化

ビタミンCには、免疫細胞の機能を高めるはたらきがあります。マクロファージや好中球が病原体を捕食する能力を高めることで、感染を予防したり、回復を早めたりする効果が期待できます。

抗酸化作用による免疫細胞の保護

ビタミンCは、酸化ストレスから免疫細胞を守ることで、免疫機能の維持をたすけています。免疫細胞は感染に対抗する際に、フリーラジカル(代謝活動によってつくられる、酸化作用のある物質)を生成します。ビタミンCの抗酸化作用によって体内のフリーラジカルが中和され、免疫機能が正常にはたらくための環境が保たれています。

サイトカインの調整

ビタミンCには、サイトカインの生成を調整するはたらきがあります。サイトカインとは、炎症を引き起こしたり抑制したりする役割をもつ、タンパク質の一種です。ビタミンCが炎症性サイトカインのバランスを保つことで、過剰な炎症反応を抑制し、免疫系が効率的にはたらくのをたすけます。

ビタミンCが役立つ場面は?

近年行われた研究の結果から、ビタミンCが風邪の重症期間を短縮することが分かりました。つらい症状を早期にやわらげるだけでなく、抗生物質をあまり使わない治療法としても有効です。また、ビタミンCは安全性が高いため、風邪をひきやすい人や、子どもと接する機会が多い人に特におすすめです。食べ物やサプリメントから手軽に摂ることができ、比較的安く手に入るため、日々の生活に取り入れやすいのではないでしょうか。ビタミンCには、風邪の予防や肌ダメージの軽減、疲労回復などの効果も期待できます。健康的な生活を送るために、ビタミンCをぜひ活用してみてくださいね。ただし、風邪を予防するには、ビタミンCを摂るだけでは不十分です。手洗いや手指消毒などの基本的な感染対策をしっかり行いましょう。

ビタミンCを多く含む食材と注意点

ビタミンCは健康維持に重要な栄養素の一つです。ここでは、ビタミンCを豊富に含む食材や効果的な摂取方法、注意点などについて解説します。

ビタミンCの摂取量の目安は?

ビタミンCの1日あたりの摂取量は、年齢や性別、ライフスタイルによって異なります。ここでは、一般的な目安を紹介します。

  • 成人男性:90mg
  • 成人女性:75mg
  • 妊娠中:85mg
  • 授乳中:120mg

ストレスや運動量が多い人は、より多くのビタミンCが必要な場合もあります。食事からの摂取が難しい場合は、サプリメントの利用もおすすめです。

ビタミンCを多く含む食材

ビタミンCが豊富な食材は、以下のとおりです。

緑黄色野菜

  • ブロッコーリ
  • ピーマン
  • ケール

柑橘類

  • オレンジ
  • グレープフルーツ
  • レモン

ベリー類

  • いちご
  • ブルーベリー
  • ラズベリー

そのほかの野菜

  • トマト
  • カリフラワー
  • ほうれん草

果物

  • キウイ
  • メロン
  • パパイヤ

調理の際の注意点

新鮮な果物や野菜を生の状態で食べることが、ビタミンCの摂取に最も効果的です。ビタミンCは熱に弱いため、蒸したり茹でたりする場合は短時間で調理しましょう。食材を購入したあとは冷蔵庫で保管することで、ビタミンCの含有量を保つことができます。できるだけ早く、新鮮なうちに消費することを心がけるとよいでしょう。

サプリメントを有効活用しよう

食事からの摂取が難しい場合は、サプリメントを活用してみましょう。ただし、過剰摂取には注意が必要です。パッケージの表示を確認し、1日あたりの摂取量を守りましょう。また、ビタミンCは内服薬の吸収や効果に影響をあたえることがあります。持病のある方や治療中の方は、かかりつけの医師に相談してみましょう。診察や相談の際には、サプリメントのパッケージを持っていくことをおすすめします。

また、注射や点滴などを行い効率的に取り入れることもできますのでご相談ください。

まとめ

ビタミンCには、皮膚や粘膜の治癒をたすけるはたらきや、疲労回復、ストレスに対する抵抗力を高めるなどの効果があります。

 

さらに、近年行われた研究では、風邪の重症症状の期間を短縮する効果が明らかになりました。特に重い症状の場合に効果があり、ビタミンCを摂取することで欠勤や休学を減らす効果が期待できます。

 

また、ビタミンCは風邪のつらい症状を早くやわらげるだけでなく、抗生物質の使いすぎを防ぐのにも有効です。風邪をひきやすい方や子どもと接する機会が多い人は、毎日の食事にビタミンCを積極的に取り入れることをおすすめします。

 

ただし、ビタミンCを摂るだけでは風邪を予防することはできません。手洗いや手指消毒などの基本的な感染対策をしっかり行いましょう。

 

ビタミンCを多く含む食材にはブロッコリーやオレンジ、いちごなどがあり、新鮮な状態で生食するのが最も効果的です。ビタミンCは熱に弱いため、調理する際は短時間で行いましょう。

 

サプリメントを利用する場合は過剰摂取に注意し、内服薬との相互作用も考慮して医師に相談することが大切です。

 

日頃から積極的にビタミンCを摂り、健康的な生活を送りましょう。

 

 

参考文献

https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-c.html#:~:text=%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3C%E3%82%92%E5%A4%9A%E3%81%8F%E5%90%AB%E3%82%80%E9%A3%9F%E5%93%81&text=%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3C%E3%81%AF%E3%80%81%E6%9E%9C%E5%AE%9F%E9%A1%9E,5%E3%81%AB%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82&text=%E5%8F%AF%E9%A3%9F%E9%83%A8%E3%81%A8%E3%81%AF,%E3%82%92%E9%99%A4%E3%81%84%E3%81%9F%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

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https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/ohashi/eiyobu/blog/tjoimi0000001qzc.html

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