ストレート・水割り・炭酸割り、アルコールの吸収が速いのは?

「同じ量(純アルコール量)のお酒なら、飲み方が違っても同じ?」

「ウイスキーはストレートと水割り、どちらが酔いやすい?」
「炭酸割りにするとアルコールの吸収が速くなる?」
「お酒を薄めれば酔いにくくなる?」

お酒を飲む方なら、一度は気になったことがあるのではないでしょうか。

実は、同じ量の純アルコールを摂取した場合でも、アルコール飲料の濃度や飲み方によって、体内への吸収速度が変化する可能性があります。

『Journal of Forensic and Legal Medicine』に掲載された研究では、ウォッカを「ストレート」「水割り」「炭酸水割り」にして飲んだ場合のアルコール吸収速度が比較されました。

その結果、ストレートよりも水で薄めたアルコールのほうが、アルコールの吸収速度が速くなった人が多く、さらに炭酸水で割った場合には、より速く吸収された人が多いことが示されました。

今回はこの研究をもとに、ストレート・水割り・炭酸割りでアルコールの吸収速度はどのように変わるのか、分かりやすく解説します。

アルコールはどこから吸収される?

口から入ったアルコールは、胃や小腸から体内に吸収されます。
厚生労働省によると、アルコールは胃にある間は比較的ゆっくり吸収されますが、小腸に入ると速やかに吸収されます。
そのため、アルコールが胃から小腸へどのくらいの速度で移動するかが、血中アルコール濃度にも影響します。

また、アルコールの吸収速度は、

  • 食事をしているか
  • アルコールの濃度
  • 飲料の種類
  • 飲む量
  • 飲む速度
  • 体格や体質

など、さまざまな要因によって変わります。
つまり、「何を飲むか」だけでなく、「どのように飲むか」もアルコールの吸収に関係するのです。

なお、今回紹介する研究は、参加者が前夜から絶食し、短時間で飲酒するという条件で行われています。食事をしながら時間をかけて飲む日常的な状況とは異なる点に注意が必要です。

ストレート・水割り・炭酸割りを比較した研究

今回紹介する研究では、21人(男性12人、女性9人)が参加しました。
参加者は、以下の3種類の飲み物を、それぞれ別の日に摂取しました。

① ストレート

ウォッカ37.5%

② 水割り

ウォッカを水で薄め、アルコール濃度18.75%

③ 炭酸割り

ウォッカを炭酸水で薄め、アルコール濃度18.75%

それぞれの飲料に含まれる純アルコール量は同じになるように調整されています。
参加者は空腹状態で5分間かけて飲み、その後4時間にわたって呼気中のアルコール濃度を測定しました。

結果:水割りのほうがストレートより速く吸収された

研究で特に注目されたのが、アルコールを薄めた場合の吸収速度です。
ストレートのウォッカと比較すると、水で薄めたウォッカでは、

21人中20人で、薄めたアルコールのほうが速く吸収されました。

この差は統計的にも有意でした(p<0.001)。

つまり、この研究条件では、
ストレートより水割りのほうが、アルコールが速く吸収される傾向
が確認されたことになります。

「濃いお酒のほうがすぐに吸収されそう」と思う方も多いかもしれませんが、実際にはアルコール濃度が高ければ必ず吸収が速くなるわけではありません。

炭酸割りではさらに吸収が速くなる人も

では、炭酸水で割った場合はどうでしょうか。
研究では、炭酸水で割ったアルコールについて、

21人中14人で、水割りよりも吸収速度が速くなりました。

一方で、7人では吸収速度に変化がない、または遅くなる結果となりました。

つまり、炭酸による影響には個人差がありました。
平均の吸収速度を比較すると、炭酸水割りでは4.39±0.45 mg/100mL/分、水割りでは1.08±0.36 mg/100mL/分となり、その差は統計的に有意でした(p=0.006)。

この研究からは、

ストレート < 水割り < 炭酸割り

の順で、アルコールが速く吸収される可能性が示されています。
ただし、炭酸による影響には個人差があるため、すべての人に同じ結果が起こるとは限りません。

なぜ水割りのほうが速く吸収された?

アルコールは胃よりも小腸で速く吸収されます。
そのため、アルコールが胃から小腸へ移動する速度が変わると、血中アルコール濃度の上昇にも影響する可能性があります。
厚生労働省も、アルコールの吸収には「食事の有無」や「アルコール飲料の種類と飲み方」が影響すると説明しています。
また、別の研究では、水と一緒に摂取したアルコールは、食事と一緒に摂取した場合より速く胃から十二指腸へ移動したことが報告されています。

つまり、「アルコールを薄めれば酔いにくい」と単純に考えるのではなく、薄め方によってはアルコールの吸収が速くなる可能性があることを知っておくことが大切です。

「水割りなら酔いにくい」は本当?

ここで注意したいのが、アルコールを薄めることと、摂取する純アルコール量を減らすことは別という点です。

例えば、同じ量の純アルコールを、

  • ストレートで飲む
  • 水割りにして飲む

としても、純アルコールの摂取量が同じなら、最終的に体内に入るアルコール量そのものが減るわけではありません。
むしろ今回の研究では、同じ量のアルコールを摂取した場合、水割りのほうが吸収速度が速くなる人が多い結果となりました。

そのため、「水割りだから安心」「薄めれば酔わない」と考えるのは適切ではありません。

炭酸のお酒は「酔いやすい」と感じることがある?

今回の研究では、炭酸水で割ったアルコールは、水割りと比較して吸収速度が速くなった人が多いことが示されています。
そのため、炭酸入りのお酒を飲んだときに「いつもより酔いが回るのが早い」と感じる人がいることは、アルコール吸収速度の違いから説明できる可能性があります。

ただし、炭酸による影響には個人差があり、すべての人で吸収が速くなるわけではありません。

また、実際の飲酒では、

  • 飲むスピード
  • 食事の有無
  • 飲酒量
  • アルコール度数
  • 体格
  • 性別
  • 体調

など、多くの要因が関係します。

空腹で飲むと酔いやすいのはなぜ?

アルコールの吸収を考えるうえで、飲み方と同じくらい重要なのが食事の有無です。
アルコールは胃からも吸収されますが、小腸に入ると速やかに吸収されます。
食事をすると胃の内容物が小腸へ移動する速度が変化するため、アルコールの吸収速度にも影響します。

厚生労働省は、同じ量の純アルコールでも、食事をしながら飲む場合と、空腹時に高濃度・少量のアルコールを飲む場合では、血中アルコール濃度に違いが生じると説明しています。

そのため、飲酒する場合には、空腹で一気に飲むことを避け、食事と一緒にゆっくり飲むことが大切です。

「アルコールを早く抜く方法」はある?

「水をたくさん飲めばアルコールが早く抜ける」
「汗をかけばアルコールが抜ける」
と考える方もいますが、これは注意が必要です。

アルコールの代謝のほとんどは肝臓で行われます。

厚生労働省によると、汗や尿、呼気から排出されるアルコールはごく一部であり、水を大量に飲んだからといって、肝臓でのアルコール分解が急激に速くなるわけではありません。
そのため、飲酒後に「水を飲んだから大丈夫」と考えて車を運転することは絶対に避けましょう。

アルコールの吸収速度と「酔い方」は別の問題

今回の研究は、主にアルコールの吸収速度や血中アルコール濃度の変化を調べたものです。
「吸収が速い=必ず強く酔う」と単純に考えることはできません。

実際の酔い方には、アルコールの摂取量だけでなく、

  • 体格
  • 性別
  • 体内の水分量
  • 食事
  • 飲酒経験
  • 体調
  • 肝臓での代謝能力

など、多くの要因が関係します。
また、同じ量のアルコールを飲んでも、血中アルコール濃度には個人差があります。

お酒を飲むなら「濃さ」よりも飲み方に注意

今回の研究から分かるのは、単純に「ストレートは吸収が速い」というわけではないということです。
むしろ研究条件では、ストレートより水割りのほうが速く吸収された人が多く、炭酸水割りではさらに速く吸収された人が多いという結果でした。

ただし、研究参加者は21人と比較的小規模で、空腹状態で5分間という条件で行われています。

実際の飲酒では食事や飲酒速度など、さまざまな要因が関係するため、この結果だけで「炭酸のお酒は必ず酔いやすい」と判断することはできません。
重要なのは、「薄めれば安全」ではなく、飲酒量そのものを管理することです。

健康的にお酒と付き合うために

飲酒する場合には、以下のような点を意識しましょう。

  • 空腹での飲酒を避ける
  • 一気飲みをしない
  • ゆっくり時間をかけて飲む
  • 飲酒量を把握する
  • 水やノンアルコール飲料も取り入れる
  • 飲酒後は運転しない
  • 休肝日を設ける
  • 自分の体調に合わせて飲酒量を調整する

特に、「水割りだから大丈夫」「炭酸だからアルコールが薄い」などと考えず、純アルコール量を意識することが大切です。

よくある質問

Q. ストレートと水割りでは、どちらがアルコールを早く吸収しますか?

今回紹介した研究では、ストレートよりも水で薄めたアルコールのほうが速く吸収された人が多いという結果でした。21人中20人で、薄めたアルコールの吸収速度が速くなりました。

Q. 炭酸割りは水割りより酔いやすいですか?

今回の研究では、21人中14人で、炭酸水割りのほうが水割りよりアルコールの吸収速度が速くなりました。
ただし、7人では変化がない、または遅くなる結果もあり、個人差が確認されています。

Q. 水割りならアルコールの影響は少なくなりますか?

水割りにしても、同じ量の純アルコールを摂取すれば、アルコールそのものの摂取量が減るわけではありません。
「薄めたから酔わない」と考えず、飲酒量そのものを管理することが大切です。

Q. 空腹で飲むと酔いやすいですか?

食事の有無はアルコールの吸収や血中アルコール濃度に影響します。
空腹時の飲酒は避け、食事と一緒にゆっくり飲むことがすすめられます。

Q. 水を飲めばアルコールが早く抜けますか?

水分補給は脱水予防のために重要ですが、水を大量に飲んだからといって肝臓でのアルコール分解が急激に速くなるわけではありません。
アルコールの代謝の大部分は肝臓で行われます。

まとめ

ストレート・水割り・炭酸割りでは、アルコールの吸収速度が異なる可能性があります。
今回紹介した研究では、同じ量の純アルコールを摂取した場合、ストレートより水割りのほうが速く吸収された人が多く、炭酸水割りでは水割りよりさらに速く吸収された人が多いという結果が示されました。

一方で、炭酸による影響には個人差があり、研究自体も21人を対象とした小規模な研究です。
また、実際の飲酒では、食事の有無、飲酒量、飲む速度、体格、体調など、さまざまな要因がアルコールの吸収や血中アルコール濃度に影響します。

そのため、「ストレートなら酔いにくい」「水割りなら安全」「炭酸割りは必ず酔いやすい」と単純に判断することはできません。
お酒を飲む際には、飲み方だけでなく、飲酒量そのものを管理することが大切です。

空腹での飲酒や一気飲みを避け、食事と一緒にゆっくり飲むなど、身体への負担を抑える飲み方を心がけましょう。

参考文献

  1. Roberts C, Robinson SP. Alcohol concentration and carbonation of drinks: the effect on blood alcohol levels. J Forensic Leg Med. 2007;14(7):398-405.
    PubMed
    DOI:10.1016/j.jflm.2006.12.010
  2. 厚生労働省「アルコールの吸収と分解」
    e-ヘルスネット
  3. 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
    ガイドラインPDF

#アルコール #お酒 #飲酒 #アルコール吸収 #水割り #炭酸割り #ストレート #血中アルコール濃度 #二日酔い #飲酒習慣 #健康管理 #生活習慣 #生活習慣病 #内科

経験を活かして日々の診療を行っていきます

診療のご案内

がん治療

がん治療

がん治療は、手術、放射線治療、抗がん剤治療を柱として行われますが入院施設のある病院での治療が一般的です。ただ、自宅から離れていたり、忙しそうにしておりゆっくり相談できないこともあるようです。

一般内科

一般内科

風邪、インフルエンザ、発熱、胃腸障害、頭痛、膀胱炎などの急性疾患をはじめ、生活習慣病としての高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)など内科一般の診療をいたします。

呼吸器内科

呼吸器内科

呼吸器疾患とは気管支や肺の疾患で、気管支喘息、肺気腫、肺炎、間質性肺炎、肺結核、肺がん、胸膜中皮腫など呼吸器に関する診療を行います。

診療予約
電話する