生成AIとうつの関係はある?

最新研究が示した「AI利用とうつ症状」の関連

ChatGPTなどの生成AI(Generative AI)は、ここ数年で急速に普及しました。
仕事、学習、日常生活など、さまざまな場面で利用する人が増えています。

しかし最近、生成AIの利用とメンタルヘルスの関係についても研究が行われるようになりました。

2025年に医学誌 JAMA Network Open に掲載された研究では、 生成AIの利用頻度が高い人ほど抑うつ症状が高い傾向があることが報告されています。

今回は、この研究の内容と、AIとの付き合い方について解説します。

 

研究の概要 ~米国成人2万人以上を対象に調査~

この研究では、米国の成人を対象に

  • 生成AIの利用状況
  • 抑うつ症状
  • 不安・イライラなどの感情

との関連が調べられました。

対象者

対象人数 20,847人
平均年齢 47.3歳
女性割合 49.5%
男性割合 49.8%

 

調査内容

参加者は次の項目について回答しました。

  • 生成AIの利用頻度
  • AIの利用目的(仕事・学習・個人用途)
  • SNS利用
  • 抑うつ症状(PHQ-9)

※PHQ-9は、うつ症状を評価するために世界中で使用されている質問票です。

 

生成AIを「毎日使う人」は約10%

調査では「毎日AIを使用する人は全体の10.3%」でした。

内訳は

  • 1日1回程度:5.1%
  • 1日複数回:5.3%

となっており、すでに多くの人が日常的に利用していることが分かります。

AI利用が多い人の特徴

  • 男性
  • 若年成人
  • 高学歴
  • 高所得
  • 都市部在住

上記の特徴の方は、AI利用が多い傾向がありました。

 

AI利用頻度が高い人ほど抑うつ症状が高い傾向

解析の結果、AIの利用頻度が高いほど抑うつ症状スコアが高いという関連が確認されました。

 

AIを使わない人と比べると?

1日1回使用 抑うつスコア上昇
1日複数回使用 抑うつスコア上昇

 

さらに、中等度以上の抑うつ症状を持つ確率も高くなっていました。

  • オッズ比:1.29(約29%増)

また、「不安」「イライラ」についても同様の傾向が見られました。

 

特に関連が強かったグループ

関連が強く見られたのは次の方たちです。

  • 個人用途でAIを使う人(仕事や学習ではなく、個人的な利用が中心の人)
  • 中年層

※特に「25〜44歳」「45〜64歳」の層に関連が強く見られました。

 

重要なポイント‐「AIがうつを引き起こす」とは証明されていない‐

この研究で示されたのは関連(association)であり、原因(causation)ではありません。

つまり「AI使用がうつを引き起こしているのか」「うつ傾向の人がAIを多く使うのか」は、この研究だけでは分かりません。

著者らも論文で「因果関係を理解するにはさらなる研究が必要」と述べています。

 

AI利用とうつ症状が関連する理由の仮説

研究者は、いくつかの可能性を指摘しています。

孤立感

AIとの対話が増えることで、下記の可能性があります。

  • 人との交流が減る
  • 社会的孤立が進む

 

長時間のデジタル利用

AI利用者は「SNS」「デジタル機器」の利用時間も長い傾向があります。

長時間のスクリーン使用は

  • 睡眠の質低下
  • 精神的ストレス

と関連することが知られています。

 

仕事ストレス

AIを頻繁に使う人は

  • 高い業務負荷
  • 情報過多

などの環境にいる可能性もあります。

 

AIは悪いものなのか?

結論から言うと、AIそのものが悪いという証拠はありません。

むしろAIは

  • 医療
  • 教育
  • 研究
  • 業務効率化

など多くの分野で有益なツールです。

重要なのは使い方と使う時間です。

 

メンタルヘルスを守るAIとの付き合い方

AIを利用する際には、次の点が重要です。

①使用時間を意識する

長時間の連続使用は避ける

②人との交流を減らさない

AIは便利ですが、人間関係の代替にはなりません

③睡眠時間を確保する

夜遅くのAI利用は睡眠の質を下げる可能性があります

 

まとめ

最新研究では、生成AIの利用頻度が高い人ほど「抑うつ症状が高い傾向」が報告されました。

ただし

  • 因果関係は未解明
  • 今後の研究が必要

とされています。

AIは便利なツールですが、生活のバランスを保つことが大切です。

 

当院からのメッセージ

もし次のような症状が続く場合は、心の健康状態が低下している可能性があります。

  • 気分の落ち込み
  • 興味や楽しみの減少
  • 睡眠障害
  • 強い疲労感
  • 不安やイライラ

早めの相談が、回復の近道になることがあります。気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。

※症状によっては専門クリニックを紹介する可能性がありますのでご了承ください。

 

参考文献

Perlis RH, et al.
Generative AI Use and Depressive Symptoms Among US Adults.
JAMA Network Open. 2025.

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