SNSの利用はうつ症状と関係がある?

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大規模研究からわかった“抑うつリスク”との関連を解説します

 

スマートフォンやSNSは、今や日常生活に欠かせない存在です。
家族や友人との連絡、情報収集、仕事や趣味など、便利な一方で、

「SNSを見ていると気分が落ち込む」
「使いすぎが心の健康に影響しないか不安」

と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

2021年に発表された米国の大規模な縦断研究では、一般成人において、一部のSNS利用と抑うつ症状の悪化が関連している可能性が示されました。

この記事では、その研究結果をもとに、
✔ SNSとうつ症状は本当に関係があるのか
✔ どのような人・どのSNSで影響が出やすいのか
✔ 日常生活で気をつけたいポイント
を分かりやすく解説します。

 

これまでの研究の問題点

SNSとうつや不安の関係については、以前から多くの研究が行われてきました。
特に、若者や青少年を対象とした横断研究では

  • SNS利用が多い人ほどうつ症状が強い
  • 不安や孤独感が増す

といった結果が報告されていました。

しかし、これらの研究には次のような課題がありました。

  • もともとうつ傾向のある人がSNSを多く使っている可能性
  • 一時点のみの調査で、因果関係が分からない
  • 規模が小さく、追跡期間が短い

そのため、「SNSが原因なのか」「結果なのか」は、はっきりしていませんでした。

 

今回の研究は何が違うのか

今回紹介する研究は、米国全土の一般成人を対象に、同じ人を複数回追跡した縦断研究です。

研究のポイント

  • 対象:18歳以上の一般成人
  • 初回調査時点で「うつ症状がほぼない人(PHQ-9 ≤5)」のみを対象
  • 約13か月間にわたり、複数回アンケートを実施
  • 抑うつ症状の評価にPHQ-9(医療現場でも用いられる指標)を使用

つまり、「もともとうつ症状がなかった人が、その後どう変化したか」を見た研究です。

 

どのくらいの人がうつ症状を悪化させたのか

初回調査時にうつ症状が軽度未満だった8,045人のうち、5,395人が2回目の調査にも回答してくれました。

属性

平均年齢 55.8歳
男女比 男性:約44% 女性:約66%

 

このうち、 482人(約9%)が、PHQ-9スコアが5点以上上昇
= うつ症状が明らかに悪化したと判定されました。

 

うつ症状と関連が強かったSNSは?

年齢、性別、社会的サポート、生活習慣などを調整した解析では、一部のSNS利用と抑うつ症状の悪化に有意な関連が認められました。

関連が示されたSNS(調整後オッズ比)

Snapchat 1.53
Facebook 1.42
TikTok 1.39

 

一方で、

  • Instagram
  • LinkedIn
  • Pinterest
    などでは、有意な関連は認められませんでした。

すべてのSNSが同じ影響を持つわけではないことが重要なポイントです。

 

年齢によって影響は異なる

研究では、年齢による違いも詳しく分析されています。

35歳以上の人

Snapchat リスク約2倍
TikTok リスク増加
YouTube 軽度だが有意なリスク増加

 

35歳未満の人

 

Snapchat 有意なリスク増加なし
TikTok 有意なリスク増加なし
Facebook リスクが大きく増加(約2.6倍)

 

SNSの影響は「年齢」と「使うSNSの種類」によって異なることが示されました。

 

なぜSNSがうつ症状と関係するのか

この研究は因果関係を直接証明するものではありませんが、考えられる理由として次が挙げられています。

  • 他人との比較による自己評価の低下
  • ネガティブなニュースへの繰り返しの接触
  • 誹謗中傷や対人トラブル
  • 現実の対人交流の減少
  • 睡眠リズムの乱れ

特に「ニュース源としてSNSを利用する人」で影響が強かった点は、注意すべきポイントです。

 

この研究から分かること・分からないこと

分かること

  • 一部のSNS利用は、うつ症状の悪化と関連する可能性がある
  • 年齢によって影響を受けやすいSNSが異なる
  • もともと健康だった人でも、症状が悪化するケースがある

分からないこと

  • SNSが直接の原因かどうか
  • 利用時間・使い方の違いによる影響
  • 日本人にも同じ結果が当てはまるか

そのため、「SNSは必ず悪い」と結論づけることはできません。

 

日常生活で気をつけたいポイント

SNSを完全にやめる必要はありませんが、以下の点は意識しておくと安心です。

  • 利用時間を決める
  • 就寝前の長時間利用を避ける
  • 気分が落ち込むアカウントや情報から距離を置く
  • SNS以外の人との交流を大切にする
  • 「疲れた」と感じたら一度休む

 

当院からのメッセージ

SNSは便利なツールですが、心の健康とのバランスが大切です。

  • 以前より気分が落ち込みやすくなった
  • 眠れない、やる気が出ない
  • SNSを見ると不安やイライラが強くなる

こうした変化が続く場合は、無理に一人で抱え込まず、医療機関に相談してください。

早めの相談が、症状の悪化を防ぐことにつながります。

 

参考文献

  • Perlis RH, et al. Association Between Social Media Use and Depression. JAMA Network Open. 2021.
  • 抑うつ症状評価(PHQ-9)に関する臨床研究
  • メンタルヘルスとデジタルメディアに関する疫学研究

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