1日何歩くらい歩くのがおすすめ?

  • #一般内科

最新研究でわかった「高齢女性の歩数」と寿命・心臓病リスクの関係

「健康のために1日1万歩」とよく言われますが、
❔「高齢になっても本当にそこまで歩く必要があるの?」
❔「毎日達成できないと意味がないの?」
と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

2025年に発表された大規模な前向き研究では、高齢女性においては、週に1~2日でも“1日4,000歩以上”歩くだけで、死亡リスクや心血管疾患のリスクが下がることが示されました。

この記事では、この最新エビデンスをもとに、
✔ 何歩くらいを目標にすればよいのか
✔ 毎日でなくてもよいのか
✔ 無理なく続けるための考え方
を分かりやすく解説します。

 

「歩数」と健康の関係は以前から知られている

歩くこと(身体活動量)が多いほど、

  • 心臓病
  • 脳卒中
  • 糖尿病
  • 早期死亡

のリスクが低下することは、これまで多くの研究で示されてきました。

ただし、これまでの研究では「毎日どれくらい歩くべきか」に焦点が当たることが多く、
「週に何日達成すればよいのか」という視点は、あまり検討されていませんでした。

今回の研究は、 “歩数を達成した日数”という新しい切り口“で健康との関係を詳しく調べた点が大きな特徴です。

 

どんな研究だったのか?

この研究は、米国で行われた前向きコホート研究です。

対象

  • 心血管疾患・がんの既往がない高齢女性
  • 13,547人
  • 平均年齢:71.8歳

方法

  • 腰に装着する加速度計(ActiGraph)を7日間連続で使用
  • 1日の歩数を正確に測定
  • その後、最大約13年間(中央値10.9年)追跡

評価した歩数目標(1日)

  • 4,000歩以上
  • 5,000歩以上
  • 6,000歩以上
  • 7,000歩以上

それぞれについて、

 週に「0日」「1~2日」「3日以上」達成した人

に分けて、死亡率と心血管疾患(CVD)の発症率を比較しました。

 

もっとも重要な結果:4,000歩でも十分な効果

全死亡リスクとの関係

以下は、1日4,000歩以上を週0日の人と比べたときの比較表です。

週1~2日達成した人 週3日以上達成した人
死亡リスク 26%低下(HR 0.74) 死亡リスク 40%低下(HR 0.60)

毎日でなくても、週に数日歩くだけで明確な効果がありました。

 

心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中など)

同様に、1日4,000歩以上を週0日の人と比べたときの比較表です。

週1~2日達成した人 週3日以上達成した人
CVDリスク 27%低下 CVDリスク 27%低下


心臓や血管の病気に対しても、歩行がしっかり予防効果を持つことが確認されています。

 

歩数は多いほど良い?

研究では、歩数の目標を

  • 5,000歩
  • 6,000歩
  • 7,000歩

と高くした場合も解析されています。

その結果、

  • 歩数が増えるほど、死亡リスクは緩やかに低下
  • ただし、ある程度を超えると効果は頭打ち

という「逆U字型(なだらかな曲線)」の関係がみられました。

つまり、無理に毎日7,000歩・1万歩を目指す必要はないということが示唆されています。

 

「週何日歩いたか」よりも大切なこと

 

追加解析では、1日の平均歩数を考慮すると、「週に何日達成したか」という差は小さくなりました。

この結果から研究者は、

健康にとって重要なのは「何日歩いたか」よりも「どれくらい歩いた量の合計か」

と結論づけています。

まとめると…

  • 毎日でなくてよい
  • 歩ける日にしっかり歩けばよい
  • 日々のパターンにこだわりすぎない

という、続けやすいメッセージになります。

 

高齢の方におすすめできる現実的な目標

この研究を踏まえると、以下が現実的で安全な目安です。

まずは「1日4,000歩」を目標に

週に1~2日でも十分に健康効果が期待できます。

体調が良ければ5,000~6,000歩

無理のない範囲で増やすと、さらなるメリットが期待できます。

毎日できなくても気にしない

「歩けない日」があっても問題ありません。

 

歩行で気をつけたいポイント

 

  • 痛みや息切れが出たら無理をしない
  • 転倒予防のため、靴や歩く場所に注意
  • 心臓病・関節疾患がある方は事前に相談
  • 暑さ・寒さの強い日は室内歩行も可

「続けられること」が何より大切です。

 

当院からのメッセージ

今回の研究は、「少し歩くだけでも健康に意味がある」という、とても前向きなメッセージを示しています。

高齢になると、「運動しなきゃいけない」と思うこと自体が負担になることもあります。

しかし、

  • 週に数日
  • 1日4,000歩程度

でも、寿命や心臓の健康に良い影響があると分かれば、気持ちも少し楽になるのではないでしょうか。

運動量や持病について不安がある方は、いつでもご相談ください。

 

参考文献

  • Hamaya R, et al. Association between frequency of meeting daily step thresholds and all-cause mortality and cardiovascular disease in older women. Br J Sports Med. 2025. PMID: 41120219.
  • 身体活動と高齢者の健康に関する疫学研究
  • 米国運動ガイドライン改訂関連資料

#鶴橋 #大阪市 #内科 #健康コラム #運動習慣 #ウォーキング
#高齢者の健康 #心血管疾患予防 #フレイル予防
#東成区 #生野区 #天王寺区 #生活習慣病 #健康寿命

経験を活かして日々の診療を行っていきます

診療のご案内

がん治療

がん治療

がん治療は、手術、放射線治療、抗がん剤治療を柱として行われますが入院施設のある病院での治療が一般的です。ただ、自宅から離れていたり、忙しそうにしておりゆっくり相談できないこともあるようです。

一般内科

一般内科

風邪、インフルエンザ、発熱、胃腸障害、頭痛、膀胱炎などの急性疾患をはじめ、生活習慣病としての高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)など内科一般の診療をいたします。

呼吸器内科

呼吸器内科

呼吸器疾患とは気管支や肺の疾患で、気管支喘息、肺気腫、肺炎、間質性肺炎、肺結核、肺がん、胸膜中皮腫など呼吸器に関する診療を行います。

診療予約
電話する