2025–26年はどのワクチンが有効? 3つの呼吸器ウイルスの最新エビデンス

  • #がん治療
  • #一般内科
  • #呼吸器内科
  • #ワクチン情報

Covid-19・RSウイルス・インフルエンザワクチンの最新エビデンスをわかりやすく解説

Covid-19、RSウイルス(RSV)、インフルエンザは、毎年多くの重症化リスクをもたらす呼吸器感染症です。
とくに高齢者や基礎疾患がある方、妊婦、乳児においては入院や重篤な合併症の原因となることから、予防接種が重要な役割を果たしています。

2025年に発表された最新のレビュー(New England Journal of Medicine)は、これら 3 種類のワクチンの「実際の有効性」と「安全性」を大規模な調査で評価したものです。

この記事では、その研究内容をわかりやすく整理し、2025–26年シーズンのワクチン接種を検討する際の参考となる情報をご紹介します。

なぜ独立したワクチンレビューが必要なのか

米国では、ワクチンの諮問プロセスに変更があり、指針が複雑化したことで「どの情報を信頼すべきか」わかりにくい状況が生じています。

そこで今回、

  • Covid-19
  • RSV
  • インフルエンザ


の予防接種に関する最新研究を包括的に分析するため、独立したエビデンスレビューが実施されました。

 

研究の方法

今回のレビューでは、以下のデータベースから最新の研究を収集し、分析しています。

  • PubMed / MEDLINE
  • Embase
  • Web of Science

対象は、 ワクチンの有効性(特に「入院予防」に焦点)を評価した臨床試験・観察研究
です。

抽出された文献数

  • 17,263件 → 組み入れ基準を満たしたのは 511件

非常に網羅的なシステマティックレビューであり、信頼性の高いデータとなっています。

主な結果:3つのワクチンは総じて「有効で安全」

①Covid-19ワクチンの有効性

XBB.1.5系統、KP.2など最新株に対するデータを統合すると、入院予防効果は以下のとおりです。

成人 免疫不全のある成人 KP.2変異株
コホート研究:46%(95% CI 34〜55)

症例対照研究:50%(95% CI 43〜57)

37%(95% CI 29〜44) 68%(95% CI 42〜82)

これらの結果から、
2025–26年シーズンのCovid-19 mRNAワクチンは、最新変異株に対しても一定の入院予防効果を維持していると評価されています。

 

②RSウイルス(RSV)ワクチンの有効性

対象ごとにまとめると、入院予防効果は以下のとおりです。

妊婦へのRSVワクチン接種(乳児を守る目的) 乳児へのニルセビマブ(抗体製剤) 60歳以上へのRSVワクチン
68%以上 68%以上 68%以上

これらの結果から、
RSVに対する予防効果は非常に高く、乳児から高齢者まで幅広く恩恵があると評価されています。

 

③インフルエンザワクチンの有効性

いずれも、重症化予防という観点で十分な効果が示されています。入院予防効果は以下のとおりです。

 

小児 18〜64歳
67%(95%CI 58〜75) 48%(95%CI 39〜55)

 

安全性について:これまでの知見と一致

今回のレビューでは副反応についても評価されています。

Covid-19 mRNAワクチン

  • 心筋炎リスク

特に思春期男性で接種 10万回あたり 1.3〜3.1件

また、 接種間隔を延ばすほどリスクは低下することが確認されました。

→ リスクはあるものの、発生率は低く、適切な接種間隔で回避しやすい。

RSVpreFワクチン(高齢者)

ギラン・バレー症候群(GBS)のリスク増加が報告され、100万回あたり 18.2件増加

非常にまれではあるものの、注意が必要です。

妊婦へのRSVワクチン接種

妊娠32〜36週の接種と早産との関連は認められませんでした。安全性を支持する重要なデータです。

 

結論:3種類すべてのワクチンは「安全で効果的」

今回の大規模レビューは、
2025–26年シーズンのワクチン接種は、明確に推奨できるエビデンスがある
という結論で締めくくられています。

  • Covid-19:最新株に対しても入院予防効果を維持
  • RSV:乳児・妊婦・高齢者で高い予防効果
  • インフルエンザ:小児・成人ともに安定した有効性
  • 安全性:既知のリスクと大きく変わらない、総合的に安全

呼吸器系ウイルスが重症化しやすい秋冬シーズンに向けて、予防接種は非常に重要な対策となります。

 

当院から患者さんへのメッセージ

予防接種は、自分だけでなく周りの家族・友人・社会全体を守るためにも重要な役割があります。

基礎疾患がある方、高齢者、妊婦、小児などは特に重症化リスクが高いため、
早めのワクチン相談・接種がおすすめです。

接種のタイミングや種類について不安がある場合は、いつでもご相談ください。

 

参考文献

  • Evidence Review of Vaccines for 2025–26 Season. New England Journal of Medicine, 2025.
  • ACIP Evidence-to-Recommendations Framework
  • 呼吸器ウイルスワクチンに関する最新の臨床研究

#鶴橋 #大阪市 #内科 #呼吸器内科 #ワクチン #COVID19 #インフルエンザ
#RSウイルス #予防接種 #健康コラム #東成区 #生野区 #天王寺区 #感染症予防

経験を活かして日々の診療を行っていきます

診療のご案内

がん治療

がん治療

がん治療は、手術、放射線治療、抗がん剤治療を柱として行われますが入院施設のある病院での治療が一般的です。ただ、自宅から離れていたり、忙しそうにしておりゆっくり相談できないこともあるようです。

一般内科

一般内科

風邪、インフルエンザ、発熱、胃腸障害、頭痛、膀胱炎などの急性疾患をはじめ、生活習慣病としての高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)など内科一般の診療をいたします。

呼吸器内科

呼吸器内科

呼吸器疾患とは気管支や肺の疾患で、気管支喘息、肺気腫、肺炎、間質性肺炎、肺結核、肺がん、胸膜中皮腫など呼吸器に関する診療を行います。

診療予約
電話する