生い立ち6
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こんにちは、鶴橋なんばクリニック院長の灘波です。
前回の続きです。
この年の4月に東京のど真ん中にある築地のがんセンターでの研修が始まりました。
所属は通院治療センターでまず腫瘍内科(乳がん、婦人科がん、泌尿器がん、肉腫)の患者さんを主に担当しました。当時乳がんはホルモン受容体の有無、HER2の発現により治療体系が細かく分類されており、肺がんの分類とは大違いでした。肺がんは小細胞癌か非小細胞癌かで治療が異なりますがほかは同じような治療でした。唯一EGFR陽性肺がんのみが分子標的薬を使用する程度でしたので少し戸惑いました。
肺癌は男性が圧倒的に多かったので、女性の患者さんが多かったことも少し戸惑いました。
今までとは基本的には同じ仕事なのですが、使う薬剤が異なったり、量や投与間隔が異なったりとかなり勉強になりました。副作用が出たときの対応も今までよりも実践に即した方法を行っていました。
次の消化器の患者さんと携わるようになると、いろいろな合併症例えばイレウス(腸閉塞)や尿閉などが起こりやすく、今までの肺癌や乳がんの患者さんとはタイプの違う印象でした。
やはり、それぞれの癌腫になんとなく特徴があることを理解できたこともがんセンターで勉強した収穫でした。
もっとも、驚いたことはレジデントのやる気というか上昇志向でした。
今までの病院では、患者さんのために知識を吸収したりすることに重点をおいている先生がほとんどだったのですが、がんセンター中央病院で一部の先生は世界のトップの研究者を目指していました。これは、卒後5年ほどの先生でのこのように考えている先生がおり正直びっくりしました。
新しい治療法を開発して日本のみならず世界のトップになろうとする先生に対して正直すごいなと言う感想でした。もちろん、新しい治療法を開発することが患者さんのためになるので新しい治療を開発するための試験などは積極的に関わっていましたが世界を目指すことや世界を目指せる可能性のあることはその時に初めて知ったのです。ただ、トップを目指している医師はとても頭の切れる先生が多かったので私には無理だなとも感じました。
そして、このときに製薬会社で勤務する医者がいること、主に治験などで活躍していることや外国の製薬会社(いわゆるメガファーマ)では医師が製薬会社で勤務することがあたりまえで、医師の勤務していない製薬会社は皆無であり、多い会社では100人程度の医師が社内にいることなどを知りました。
このように、築地のがんセンターで私は、肺癌以外のがん治療の勉強だけでなく、世界を目指す先生方の働きや治験、臨床試験などに関する勉強をして大阪に戻りました。
続く
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